居酒屋が教える日本酒の基礎知識!主な種類と味わいの違い・相性のよい料理

日本酒は数千種類あるといわれており、その中から自分の好みに合う日本酒を選ぶのが難しいと感じる方も多いでしょう。こちらでは、居酒屋で自分好みの日本酒を楽しむために知っておきたい、日本酒の基礎知識をご紹介します。日本酒の種類を表す特定名称酒や、味わいの違い、種類別に相性のよい料理を押さえておきましょう。

日本を代表する「國酒」日本酒の魅力とは

日本酒は本来、神ごとや伝統行事の際に神に捧げるためのお酒で、日本を代表する「國酒」の一つです。そんな日本文化に欠かせない日本酒には多くの魅力があります。

日本酒の最大の魅力は、何といっても料理との相性が抜群な点です。軽めのおつまみやあっさりとした味付けのものから、こってりとした濃厚なものまでどんな料理にも合います。

後述しますが、冷酒から熱燗まで幅広い温度帯で楽しめるのも日本酒ならではの魅力です。料理に合わせて冷やしても温めても美味しく飲めるうえに、季節ごとに飲み分けられます。そのほか、各地域の特性や各酒造所のこだわりを反映した地酒の種類が多いこと、アミノ酸やビタミンなど多くの栄養素を含んでいることから美容・健康維持に役立つ点が、日本酒の大きな魅力です。

日本酒の定義

居酒屋で気軽に楽しめる日本酒ですが、その定義は法律で決められています。酒税法上における日本酒は「清酒」に分類されます。

  • 米、米こうじ、水を原料として発酵させて、こしたもの
  • 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの

このいずれかを満たした上で、「アルコール分が22度未満のもの」を清酒と定義しています。また「日本酒」という名称は、原料の米、米こうじに日本国内産の米のみを使用し、日本国内で醸造した清酒にのみ与えられています。

たとえ日本国内で造られても海外産の米を使用したものや、日本以外で製造されたものは「日本酒」と表示することはできません。日本酒は、清酒の中でも純国内産のものだけが名乗ることができるのです。

日本酒の主な種類

日本酒は、原料や製造方法によって種類が細かく分類されています。日本酒を原料や製法で分類したものは「特定名称酒」と呼ばれ、基本は以下の3種類に分類されます。

純米酒

米と米麹、水のみを原料に製造した日本酒です。お米本来の味わいが感じられ、ふくよかな香りや旨み、コクが楽しめます。

吟醸酒

精米歩合60%以下に精米した米、米麹、水、醸造アルコールを原料に、吟醸造りという製法で造られた日本酒です。フルーティーな香りとすっきりとした味わいが特徴です。

本醸造酒

米、米麹、水に少量の醸造アルコールを加えた日本酒です。吟醸酒よりも香りは抑えられているものの、シャープでシンプルな味わいに仕上がっています。

日本酒の4タイプ分類

特定名称酒は原料や製造方法で分類できますが、同じ名称でも味わいが違うことがあります。日本酒は、味わいや香りによって4つのタイプに分類することができます。

薫酒(くんしゅ)

果実のようなフルーティーな香りが特徴です。主に吟醸酒が多く分類されます。

爽酒(そうしゅ)

香りが控えめで、爽やかなすっきりとした味わいが特徴です。普通酒や本醸造酒など、醸造アルコールを多く含む酒が分類されます。

醇酒(じゅんしゅ)

米の旨みやコクが感じられる日本酒で、主に純米酒が当てはまります。日本酒そのもののしっかりとした味わいが特徴です。地酒と呼ばれる日本酒の多くが、醇酒のような味わいを楽しめます。

熟酒(じゅくしゅ)

長期熟成による芳醇な香りと濃厚な味わいが楽しめる日本酒。ドライフルーツやスパイスに例えられる香りと、黄色や褐色の色合いが特徴です。主に古酒や長期熟成酒が当てはまります。

温度で変わる日本酒の味わい

日本酒は、冷酒、冷や、ぬる燗、熱燗など温度によって味わいが異なります。居酒屋で日本酒を頼む際は、銘柄だけでなく温度にもこだわってみませんか。各温度の味わいには、以下のような特徴があります。

冷酒(5~15度前後)

冷やした日本酒のことを冷酒と呼びます。日本酒は温度が低くなるほど、軽やかな喉ごしになるのが特徴です。飲みやすさが増すので、日本酒に慣れていない方は冷酒を選択するのが無難でしょう。冷やすと爽やかになる一方で、日本酒の風味が感じにくくなります。冷やしても日本酒の香りをしっかりと感じたいのであれば、大吟醸酒や吟醸酒などの日本酒がおすすめです。

冷や(常温)

常温の日本酒は、冷やと呼ばれます。日本酒本来の味わいを楽しめる温度で、口当たりのよさが魅力です。日本酒に慣れてきた方は、冷やに挑戦してみるのもおもしろいでしょう。夏はわずかなぬるい口当たり、冬は少しひんやりとした感じを楽しめます。冷やは、季節の移り変わりも感じられる温度です。

ぬる燗(40度前後)

40度前後の日本酒は、ぬる燗と呼びます。お酒の香りが際立つ温度で、お米の旨味を楽しめます。純米酒であれば、特にお米の魅力が味わえるのでおすすめです。

また、純米酒以外のお酒をぬる燗で飲むのもおもしろいでしょう。どちらかといえば冷酒向きの大吟醸酒や吟醸酒も、ぬる燗として飲むと風味が変化します。まろやかさが感じられるので、冷酒とは違った魅力を楽しめるでしょう。

熱燗(50度前後)

ぬる燗よりも温かな燗酒を熱燗と呼びます。日本酒は温かくなるほど、味わいが鋭くなり、香りが少なくなります。爽やかさよりもシャープさを求めるのであれば、熱燗がおすすめです。熱燗は、辛口の日本酒が合います。

日本酒の種類別に合う料理は?

日本酒は米が原料となっているため、お米が合う料理の多くが日本酒にも合います。種類によっては、洋食やスイーツと相性がよいものもあります。日本酒と料理のおすすめの組み合わせをご紹介します。

純米系

純米系は、白米にも合う濃い味付けの料理と相性がよいです。煮物料理や濃いタレで食べる肉料理、魚の煮付けなど、しっかりとした味付けの料理によく合います。

吟醸系

フルーティーな香りの吟醸系は、素材の味を活かしたあっさりとした料理や、シンプルな味付けの料理によく合います。お刺身や魚の塩焼き、天ぷらなどの食前酒や食後酒としておすすめです。

普通・本醸造系

香りが控えめで爽やかな味わいの普通・本醸造系は、和食や洋食、中華など、どのジャンルの料理にも合います。あっさりとした料理から濃い味付けの料理まで、合わせる料理を選びません。

古酒系

芳醇な香りと味わいの古酒や長期熟成酒は、同じく熟成させた料理や味の濃い料理によく合います。特に燻製された食材や、チョコレートなどの甘味が濃いものとの相性も抜群です。

日本酒で料理が美味しくなる理由

居酒屋で日本酒を飲みながら食事をすると、料理がさらに美味しく感じられるという方も多いのではないでしょうか。その理由は、日本酒に含まれる成分の働きが挙げられます。

アルコール成分が料理の香りを引き立てる

日本酒に含まれるアルコール成分は、料理の香りを引き立ててくれます。

アミノ酸で料理の旨味やコクがアップ

日本酒には、米由来のアミノ酸や糖類が豊富に含まれています。このアミノ酸が料理の旨味やコクをアップさせ、さらに日本酒の糖分が旨味を作り出すため、料理が美味しく感じられます。

酸味が料理の塩辛さ・甘さを和らげる

日本酒に含まれる酸味が、料理の塩辛さや甘さを和らげてくれます。日本酒と一緒に飲むことで料理の味を薄めたり、刺激を弱めたりするので、料理がどんどん進むのです。

居酒屋で日本酒を飲むなら、ぜひ相性のよい美味しい料理を合わせてお楽しみください。

おでんと相性のよい日本酒

居酒屋で日本酒を楽しむなら、日本酒と料理の組み合わせにもこだわりたいものです。日本酒と相性のよい料理として「おでん」が人気です。日本酒は甘味・酸味・旨味・苦味の要素がありますが、唯一「塩味」の要素を持っていません。その日本酒におでんを合わせることで塩味が加わり、五味がパーフェクトに揃うというわけです。さらに日本酒の甘味や旨味も引き出され、お酒がより美味しく感じられます。

野菜や肉、魚の旨味が凝縮された味の濃いおでんには、濃醇な味わいの日本酒がよく合います。日本酒の中でも、米の旨味がしっかり感じられる純米酒や長期熟成酒(古酒)を合わせるのがおすすめです。熱燗にすると日本酒の苦味が抑えられ、甘味と酸味が引き立つのでおでんのコクもより深まります。おでんと日本酒の相性のよさをぜひ堪能してみてください。

日本酒と静岡おでんを楽しむ居酒屋「しんば」宴会・個室貸し切り予約受付中

日本酒には様々な種類があり、それぞれ味や香りが異なります。好みの味わいの日本酒に出会ったら、どの分類に属するお酒かを知っておくと、自分好みの日本酒を見つけやすくなります。様々な日本酒を飲み比べて、味や香りの違いを確かめてみてください。

小伝馬町駅・人形町駅近く、宴会・個室貸し切り予約受付中の居酒屋「しんば」では、店主が自ら厳選した日本酒を20種類以上取り揃えております。人気の地酒や珍しいお酒、新しいお酒も定期的に仕入れておりますので、飲み比べもお楽しみいただけます。日本酒は、看板料理の静岡おでんやお刺身との組み合わせもおすすめです。宴会の個室貸し切り予約も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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